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「写実絵画のさきがけ〜光と静けさに関する考察〜 」阿部清子 x 大河原愛 x 辛文遊 x 友清大介 x 仁戸田典子 x 佛淵静子 x 牧弘子 x 松永瑠利子 8人展

会期:2020/3/13(金) - 4/18(土) 終了しました



インプレクサス・アート・ギャラリーは、岩手・東北と世界をアートで繋ぐをコンセプトにしたギャラリーで、今国内でも大変人気の高い、油彩と日本画での写実絵画を中心とした展覧会「写実絵画のさきがけ〜光と静けさに関する考察〜」 を開催いたします。



現在、写実絵画がブームとなり様々な展覧会が各地で開催され多くの注目を集めています。見たままを忠実に描き、写真のように細密に描かれた作品という印象が強い写実絵画ですが、8人の作家それぞれが今ある現実をどのように捉え、見ているのか。表現にあった素材やモチーフとの対話の中からつくられた作品には、写真とは全く違う表現があり、そこには現実以上に見るものに訴えかける何かが込められています。

■力強さと柔らかさを兼ね備えた線描を用いて、強く凛とした目が印象的な人の姿を描く阿部清子。人の強さと可憐さの両方を感じさせつつも艶のある人物像を描き出す、希有な日本画家です。


大河原愛は、東京在住ながら、ニューヨークに居住した経験を持ち、人間の精神の暗部や不安定さをあぶり出すために「視覚を刺激する装置」として美術を捉え、作品制作を続けている現代美術作家です。数多くの個展に加えてアートフェアにも参加し、海外のメディアでも取り上げられています。


■地元である岩手で生まれ育った辛文遊は、油絵具の厚塗りできる特徴を活かし、妻や生活する中で知り合った身近な人物を自分にとってのリアリティを意識し、人物の毛穴まで生々しく描く今注目される若手写実作家です。


友清大介は、17世期スペインバロック期に独自の写実表現を確立したデェイゴ・ベラスケスに大きな影響を受け、スペインに移住し大学院を修了。ベラスケスの軽快な筆さばきを継承し、確かな技術で現代の人物像やモチーフを描き出します。


■童話の一場面を切り取ったような幻想的な独自の世界を描く仁戸田典子は、人の命や内面を静かに見つめ、写実に止まらず新たに表現の幅を広げています。第45回昭和会展で最高賞の昭和会賞に輝き、2014年には佐賀銀行文化財団新人賞を受賞。その活動は高く評価されています。


■日本画家である佛淵静子は、墨・胡粉・箔など選び抜かれた素材で、女性像を描き、静寂な作品世界を作り出します。多数の個展に加えグループ展に出品。異才の日本画家として、著書「美人画づくし」にも掲載されています。


牧弘子は、自画像や少女、動植物たちが混然となった世界を描きます。大学時代に銅版画を制作していた経験があり、点描で細密に銅板を削っていた制作方法は、今の表現にも大きな影響を与え、油絵具でも新しい表層を生み出しています。 


■最年少出品作家である松永瑠利子は、現代日本写実絵画の先駆けである野田弘志に師事し、対象を丁寧に観察し高い技術を持って再現する実力を持ち合わせ、新鮮な切り口で作品を作り出しています。



写実絵画とはいえ、様々な表現方法にたどり着いた8人のアーティストが、現代に生きる今をどのよう切り取り、作品として打ち出すのか。八色に光る作品群をどうぞご堪能いただけましたら幸いです。








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