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大宮政郎展 LAST DRAWING selectionⅠ

会期:2019/11/22 (金) - 12/28 (土) 終了しました



1940年代から1950 年代フランスを中心としたアンフォルメル。アメリカで起こった抽象表現主義それに続くネオダダ。日本でも具体美術協会が結成された同時代。大宮政郎(1930-岩手県水沢生まれ)は村上善男、柵山龍司らと1963年前衛的美術集団「N39」を結成し岩手・東北の現代美術をリードして来ました。その契機となった1962年、大宮が画家仲間らと企画した1日限りのショー「1人の詩人 8人の画家と1人の芸術家 舞踏家による盛岡4月8日の日曜日」は今なお特異な熱気と輝きを放っています。



1968年大宮はモスクワへ向かう機中で、地上ならば数十分で終わる夕日を高速で移動することにより数時間眺めたことがきっかけとなり、独自の美術・造形思想「人動説」(下記参照)を唱え展開します。



1969年の「N39}の解散後、大宮は「人動説」をさらに深化させながら、版画、写真、立体など多様な表現を追求し続けます。その作品群は、1人のアーティストによるものとは思えないほど多彩で創造性に溢れています。



今回は、2009年に始まったドローイングシリーズの中から特に2016年以降の作品を中心に展示いたします。90歳にならんとする大宮が初期のドローイングに回帰し、見えないもの、見たいことがないものの造形化を志向してきたその独自の芸術理論をも超越して描こうとしているものは何なのか。一本一本の線に血がかよい、躍動し、寄り集まり、絡み合いながら生命体のようなものに昇華し、時空を超えて展開される様態を存分にお楽しみ下さい。



「人動説」

いままで、人間は立ちどまってものを見、考えることにより生活をし、また芸術を創りだしてきた。

しかし、現代においては、人が動きながらものを観察し、思考する必要にせまられており、ならされてもいる。そして、もはや静止の状態においてさえも、動視的習性から、のがれることの出来ないまでになっている。






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