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百瀬 寿 展

会期:2020/5/29 (金) - 7/4 (土) 終了しました



この度 インプレクサス・アートギャラリーでは、百瀬寿展を開催いたします。


百瀬は、セリグラフやネコ・プリントによる美しい版画作品手を手がけ、80年代以降、和紙や箔を用いたミクストメディア作品を制作し、グラデーションによる色彩の移ろう独自の絵画世界を確立し、世界的に評価が高まりました。


今回の展示は、近年の箔、ネパール紙、和紙等を用いたミクストメディア作品とセリグラフ作品を中心に構成されています。


1970年代セリグラフなどによるグラデーション作品は「版のない版画」と評され国内外で高い評価を受けました。さらに1980年代後半からは彩色を施した手漉紙や金銀箔等を画布に貼付した平面作品は「描かれざる絵画」と評され、色彩とグラデーションの独自の表現は更なる深化を続けています。


百瀬作品の特徴は物質性と精神性、色彩と造形、シンプルさときめ細かさ等を併せ持つと共に現在的であると同時に予感に満ち、太古の息吹さえ感じさせる時空を超えた重層性にあります。平面的作品でありながら、裏と表が反転・融合した奥深い色彩のグラデーションと移り変わる視覚の悦楽をどうぞご堪能ください。



〜作者の言葉〜

グラデーションを作り始めてから思うようになったのですが、結局私は人間にしても、文化にしても、いろいろな進歩にグラデーションを見るのです。西洋から東洋へ、人種、人の肌の色、宗教、思想、たとえば北から南、低地から高地という変化につれて、植物や人の形態などにも順応して変化していく。国家にしても、原始・古代・近代と統一が繰り返されて現在の社会があります。このような横軸に対して、人類の歴史は縦軸です。それらを色彩に置き換えて考えると、なだらかなグラデーションを成しているというのが私の仮説なのです。



プロフィール

百瀬 寿 1944 北海道札幌市生まれ


1967 北海道教育大学旭川分校卒業

1968 岩手大学専攻科修了 

1972 造形集団「COZMO-8V」結成に参加

1977 第2回世界版画展(サンフランシスコ近代美術館)エディション買上賞

1986 第12回日仏現代美術展(グラン・パレ パリ)大賞受賞        


その他国内外で受賞・個展歴多数。東京国立近代美術館、リオ・デ・ジャネイロ近代美術館、ベルリン国立アジア美術館、スコットランド王立美術館他国内外収蔵多数。

現在、盛岡在住。






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